TOP
TOP
標記講演会を下記のとおり開催いたします。
記
日 時 : 平成25年10月16日(水)午後8時半より
場 所 : 荏原歯科医師会館 1Fホール
講 師 : NPO法人OCEDN副理事長・東京歯科大学名誉教授 山根 源之 先生
表 題 : 「口腔がん検診の必要性とその進め方」
参加費 : 会員…無料、非会員…20,000円
※ 非会員の方で参加をご希望の方は事前に事務局までご連絡ください
(当日のお申込みは受付不可)
以上
「口腔がん検診の必要性とその進め方」抄録
1. 口腔がん検診の必要性
わが国では、口腔がんは肺がんや胃がんなどに比べて国民の認知度が低いため早期発見・早期治療が徹底されていない。直径2cm未満(1円硬貨大)の初期の口腔がんは、転移や再発がなければ初回治療後の5年生存率は全国的に90%を超えている。これらの症例では治療後の口腔機能障害も少なく、早期発見・早期治療は患者にとってもメリットがあり、社会的、医療経済的にも意義がある。すでに欧米ではこれらの事業に国を挙げて取り組んでいるところも多く、それらの国々では口腔がんの死亡率を著明に減少させている。
口腔がんは直視して触診出来るので、集団検診や歯科診療所での個別検診が可能であり、口腔がん早期発見は歯科医師にとって重要な責務となる。
2.口腔がん検診の進め方
集団検診は地域住民への周知活動が重要であり、そのためには行政の支援が欠かせない。これまで行ってきた3歳児検診や学校検診などと同様に口腔がん検診が歯科医師会と行政の共同事業となれば、市民への啓発活動も進み、口腔がんについての理解も得られるようになる。すでに口腔がん・口腔粘膜疾患の集団検診は多数の自治体で実施され、その成果は学会や雑誌等で発表されている。集団検診には口腔がんの専門家である口腔外科医だけでなく、多数の歯科医師会会員の参加が重要である。これまでに集団検診を定期的に実施した結果、行政をはじめ、市民への啓発はかなりの手ごたえがあった。しかし、受診を希望した検診対象者はリピーターが多くなり、出来るだけ多くの人を対象としたい集団検診事業に限界が生じている。
現在では検診対象者を拡大するため、集団検診と並行して歯科医師会会員診療所での通常の受診患者を対象とした個別検診が進められている。また、個別検診における検診力を確保するための定期的な研修も実施されている。
本講演では、すでに口腔がん検診を実施している市川市歯科医師会の取り組み紹介し、検診の必要性とその進め方の実際をお話したい。